キリム／アゼルバイジャン

中東雑貨のセレクトショップ CHAKA


― 刺繍のように緻密な美しさを誇る、スマック織りのキリム ―

中央に「花」の咲き乱れる野原、そこをぐるりと「花」が囲み
さらに「水の道」と「花」を織り込んでいます。
花咲く野原は遊牧民にとっての楽園を意味し
水の道は人生の流れであり、肉体や精神の再生を意味するシンボル。
キリムで表現した世界は「天国」ではないでしょうか。

キリムとは、中央アジアから中東、アフリカまでの幅広い文化圏で織られているラグ。
その歴史はとても古く、紀元前8,000年頃から遊牧民族の手によって
移動生活のなかから生み出された必需品でした。

牧畜している羊の毛を刈り、洗い、ほぐし、整える。
そして引き伸ばし、紡ぎ、撚りをかけてようやく毛糸に。
それから草木を煮出した液で染色。
産業革命以前の時代は、すべて手作業で行われてきた工程です。

毛糸が完成したところでようやくキリムを織るのですが
ここからは現在も手作業。
コーカサス地方のキリムはイランのキリム同様、
スマック織りと呼ばれる高度な技法で手織りされています。

土台の縦糸と横糸の上にもう一本、横糸を絡めるように巻き込んで織っているので
平織のキリムより手間も時間もかかりますが、
刺繍したかのような美しい仕上がりになります

キリムの図柄は村や部族ごとによって異なり、
一人前の女性のたしなみとして母から娘に伝えられてきた伝統です。
遥かなるいにしえの時代より、
キリムづくりは女性の細やかな労働力によって支えられてきました。

図面などはなく、経験と感覚だけで複雑で多彩な図柄を織っています。
柄のちょっとしたズレや色のムラを見るたびに
キリムを通じてジョージアの女性の手仕事を想い、
人の手によるぬくもりや味わい深さを垣間見ることができます。


◆商品番号：ka231004
◆中東雑貨：キリム
◆アゼルバイジャン製

●素材：羊毛
●サイズ／約80㎝×約97.5㎝（フリンジを含めず）